営業アシスタントと営業事務の違いは、営業担当の社外の仕事にどこまで関わるかです。呼び名は会社ごとに違い、ハローワークの職業分類も呼び名でなく仕事の中身で分けるため、見分けるときは求人票の仕事内容を読みます。
この記事でわかること
- 営業アシスタントと営業事務の仕事内容・社外との関わり・評価のされ方の違い(比較表)
- 呼び名だけでは決まらない理由と、求人票で見分ける5つの確認点
- 営業・販売事務の有効求人倍率0.87倍(一般事務0.29倍)が示す入りやすさ
- 接客・販売の経験から目指すときの向き不向きと、志望動機の書き分け
公的情報源: ハローワークインターネットサービス「職業分類とは」(参照)/厚生労働省「令和4年版 厚生労働省編職業分類表」(参照)/厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」参考統計表(参照)
この記事の結論
営業事務は、社内で営業を支える事務の仕事です。営業アシスタントは、その事務に加えて、資料づくりや同行など営業の社外の仕事にも手を出す役割を指すことが多くなっています。
ただし、この線引きは会社ごとに違います。同じ「営業アシスタント」の求人でも、中身がほぼ営業事務のこともあれば、半分営業に近いこともあるので、呼び名でなく求人票の仕事内容で見分けるのが確実です。
一般事務・経理事務も含めた事務職全体の比べ方は一般事務と営業事務の違いで扱っています。この記事は、営業アシスタントと営業事務の2つの違いに絞りました。
営業アシスタントと営業事務は、求人票を何件か並べると違いがはっきり見えてきます。気になる求人を開いたまま読み進めると、確認点をすぐ当てはめられます。
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営業アシスタントと営業事務の違いは「営業の社外の仕事」に関わるか
2つを分けるのは、営業担当が社外でする仕事(提案・商談・顧客との関係づくり)にどこまで関わるかです。書類作成や受発注といった社内の事務は、どちらにも共通しています。
営業アシスタントと営業事務の比較(一般的な傾向)
| 比べる点 | 営業事務 | 営業アシスタント |
|---|---|---|
| 仕事の中心 | 受発注・見積書・請求書などの事務処理 | 事務処理+提案資料づくり・商談の準備 |
| 社外との関わり | 電話・メールでの問い合わせ対応が中心 | 顧客との連絡に加え、同行や来客対応もある |
| 外出 | 基本的に社内 | 同行や納品立ち会いで外に出ることがある |
| 支える相手 | 営業部全体・複数の担当者 | 特定の営業担当やチームにつくことが多い |
| 評価のされ方 | 正確さ・処理の速さ・期限を守ること | 営業成績への貢献・段取りのよさ |
表はあくまで傾向です。「営業事務」の求人で同行がある会社も、「営業アシスタント」の求人で外出がまったく無い会社もあります。
営業事務と営業アシスタントの守備範囲
- 社内
- 受発注・見積書・請求書・在庫と納期の確認
- 社外
- 電話・メールでの問い合わせ対応
- 見られる所
- 正確さと期限
- 社内
- 営業事務と同じ事務処理+提案資料・商談の準備
- 社外
- 顧客との連絡・来客対応・同行
- 見られる所
- 営業成績への貢献と段取り
図:社内の事務は共通。違いは営業の社外の仕事にどこまで手を出すか。
呼び名だけでは決まらない理由(ハローワークの職業分類)
呼び名で決まらないのは、公的な職業の分け方そのものが仕事の中身を基準にしているからです。ハローワークの「職業分類とは」のページでは、求人の職業は会社の業種や雇用形態とは関係なく、その仕事にもとづいて決めると説明されています。
厚生労働省の「令和4年版 厚生労働省編職業分類表」を見ると、営業の事務は「営業・販売関連事務の職業」にまとめられています。その下の分類名は「営業事務員」「貿易事務員」「その他の営業・販売関連事務の職業」で、「営業アシスタント」という名前の分類はありません。
補助の仕事の扱いも決まっています。同じページでは、資格が要らない仕事の補助者は、本来の担当者と仕事の中身が似ていれば同じ分類、違えば中身に合った分類に入るとされています。営業アシスタントが提案や同行を多く受け持てば営業の仕事に近く、書類と受発注が中心なら営業事務に近いという考え方です。
仕事内容の違い|共通の仕事と、それぞれに寄りやすい仕事
2つの仕事は、半分以上が重なっています。違いが出るのは、重なった部分の外側にある仕事です。
営業事務・営業アシスタントの仕事の内訳
| 区分 | 主な仕事 |
|---|---|
| どちらにも共通 | 受注の入力、見積書・請求書の作成、在庫と納期の確認、電話・メール対応 |
| 営業事務に寄りやすい | 受発注システムへの入力、伝票処理、出荷の手配、売上データの集計 |
| 営業アシスタントに寄りやすい | 提案資料・企画書の作成、商談の日程調整、同行、来客対応、顧客情報の整理 |
営業事務は、部署の事務を正確に回すのが役目です。1人で複数の営業担当の案件を受け持ち、期限までに処理を終わらせる場面が多くなります。
営業アシスタントは、特定の営業担当の右腕として動く場面が増えます。担当者が商談に集中できるよう、資料と日程を先回りしてそろえるのが中心です。
「営業サポート」「営業補助」は、どちらに近い?
求人票には「営業サポート」「営業補助」「セールスアシスタント」といった呼び名もあります。どれも決まった定義は無く、会社ごとに中身が違います。
呼び名から推測せず、次の章の5つの確認点を当てはめてください。事務処理が中心なら営業事務、資料づくりや同行が多いなら営業アシスタントとして読めば迷いません。
求人票で見分ける5つの確認点
営業アシスタントか営業事務かは、求人票の「仕事内容」と「応募条件」の欄で見分けられます。次の5つを順に確かめてください。
求人票で営業アシスタントか営業事務かを見分ける順番
- 呼び名でなく、仕事内容の欄にある動詞を拾って判断する
- 確認1外出・同行の有無「同行」「訪問」「立ち会い」があれば営業アシスタント寄り
- 確認2支える営業の人数「担当営業1〜2名」なら右腕型、「営業部全体」なら事務型
- 確認3資料づくりの中身「提案資料・企画書」なら営業アシスタント、「見積書・伝票」なら営業事務
- 確認4評価と目標の書き方「チームの売上目標」に触れていれば営業成績と結びつく
- 確認5使うシステム「受発注システム」「基幹システム」なら事務処理が中心
書かれていない点は、面接で「1日の仕事の割合」を聞いて確かめる
図:5つの確認点を上から当てはめると、呼び名に関係なく仕事の中身が見える。
求人票の言葉と、読み取れること
| 求人票にある言葉 | 読み取れること | 近い仕事 |
|---|---|---|
| 同行・訪問・納品立ち会い | 社外に出る場面がある | 営業アシスタント |
| 担当営業◯名のサポート | 特定の担当者の右腕になる | 営業アシスタント |
| 提案資料・企画書の作成 | 営業の中身づくりに関わる | 営業アシスタント |
| 受発注入力・伝票処理・出荷手配 | 事務処理が中心 | 営業事務 |
| 部署全体の事務・営業部◯名の事務 | 複数の担当者を広く支える | 営業事務 |
求人票に書かれていない点は、面接で聞いて確かめてください。「1日の仕事のうち、事務処理と資料づくりと外出の割合はどのくらいですか」と聞くと、答えから中身が見えます。
入社してから「思っていた仕事と違う」となるのは、この確認を飛ばしたときです。営業事務の負担が大きくなりやすい場面は営業事務がきつい・辞めたいと感じたらでまとめています。
有効求人倍率で見る営業事務の入りやすさ
営業の事務は、同じ事務職の中では入口が広い職種です。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」の参考統計表で、ハローワークの有効求人倍率を比べてみましょう。
事務職の有効求人倍率(全国・常用・パート含む・令和8年7月)
| 職業 | 有効求人倍率 | 読み方 |
|---|---|---|
| 営業・販売事務従事者 | 0.87倍 | 求人がやや足りない |
| 会計事務従事者 | 0.56倍 | 求人1件に約1.8人 |
| 一般事務従事者 | 0.29倍 | 求人1件に約3.4人 |
| 事務従事者(計) | 0.36倍 | 事務職全体 |
| 職業計 | 1.05倍 | 全職業の平均 |
営業・販売事務は0.87倍で、一般事務の0.29倍の3倍ほどあります。事務職を探している人が営業の事務まで応募先を広げると、競争の度合いがかなり変わります。
統計には「営業アシスタント」という区分がありません。職業分類は仕事の中身で決まるため、営業アシスタントの求人は中身に応じて営業の事務か営業の職業のどちらかに入る仕組みです。
※職業情報提供サイト job tag などに載っている職業別の値とは、集計の区分と時期が違うため、数字は一致しません。
接客・販売から目指すなら、どちらが向いているか
接客や販売の経験がある人は、どちらにも応募できます。決め手は、社外の人と話す時間を増やしたいか、減らしたいかです。
営業アシスタントが向いている人
- お客様との会話や提案が好きで、その時間を残したい
- 特定の人の予定や準備を先回りしてそろえるのが得意
- いずれ営業職や営業企画に進むことも考えている
営業事務の方が合いやすい人
- 接客は得意だったが、対面の時間は減らしたい
- 決まった手順の作業を正確に積み上げる方が落ち着く
- 外出が無く、勤務時間が読みやすい働き方を優先したい
販売の現場で、客注の手配や在庫の確認を任されていた人は、営業事務の仕事に近い経験を持っています。一方、常連のお客様への提案や、イベントの準備で店長を支えていた人は、営業アシスタント寄りの経験です。
どちらか決めきれないときは、両方に応募してかまいません。求人票の5つの確認点で、1社ずつ中身を見て判断する方が確実です。
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志望動機の書き分け|営業アシスタントと営業事務
同じ経験でも、応募先が営業アシスタントか営業事務かで、前に出す場面を変えます。営業アシスタントなら人を支えた場面、営業事務なら正確に処理した場面です。
志望動機の例文(営業アシスタント・約140字)
家電量販店の販売で5年間、店長の商談準備と常連のお客様への提案資料づくりを任されてきました。準備をそろえたことで店長が商談に集中でき、成約につながったときに一番手応えを感じたため、営業担当を支える営業アシスタントを志望しています。貴社でも担当営業の準備を先回りして整えます。
志望動機の例文(営業事務・約130字)
家電量販店の販売で5年間、接客と並行して月30件ほどの取り寄せと配送日の手配を担当してきました。在庫と日付を正確に合わせ、お客様との約束を守る作業に手応えを感じたことから、受発注を支える営業事務を志望しています。貴社でも受注の入力と納期の確認を期限内に進めます。
例文の数字(5年・月30件)は置き換え用です。営業アシスタントの例文は「誰の、何を支えたか」、営業事務の例文は「何を、どれだけ正確に処理したか」を中心にしています。
事務職の志望動機の型や、一般事務・経理事務の例文は事務職の志望動機の例文とNG例にまとめました。
その先のキャリアの広がり方
入った後の道も、2つで少し違います。営業アシスタントは営業の仕事に近い分、営業職や営業企画へ移る道が見えやすい職種です。
営業事務は、受発注・貿易事務・購買など、事務の専門性を深める方向に進みやすくなります。営業事務の経験を活かせる転職先は営業事務がきつい・辞めたいと感じたらの後半で職種別に並べています。
営業アシスタントと営業事務から広がる道
- 入口の仕事
- 営業アシスタント営業職・営業企画・カスタマーサクセスなど、社外と関わる仕事へ
- 営業事務受発注・貿易事務・購買など、事務の専門性を深める仕事へ
図:営業アシスタントは営業寄りの仕事へ、営業事務は事務の専門職へ広がりやすい。
よくある質問(営業アシスタントと営業事務の違い)
営業アシスタントと営業事務について、迷いやすい5つの質問をまとめました。
Q1:営業アシスタントは営業職ですか、事務職ですか?
会社によって違います。ハローワークの職業分類では、補助の仕事は中身が近い方に分類されます。提案や同行が多ければ営業、書類と受発注が中心なら営業事務に近いと考えてください。
求人票の職種欄が「事務」でも、仕事内容に「同行」「提案」が並んでいれば営業に近い働き方になります。
Q2:未経験なら、営業アシスタントと営業事務のどちらが入りやすいですか?
どちらも接客や販売の経験を活かせる職種です。統計上、営業・販売事務の有効求人倍率は0.87倍で、一般事務の0.29倍より入口が広くなっています(厚生労働省・令和8年7月)。
営業アシスタントは統計で分かれていないため、数字では比べられません。求人票の5つの確認点で、自分の経験に近い中身の求人から応募するのが現実的です。
Q3:営業アシスタントにノルマはありますか?
求人によって違います。個人の売上目標を持たず、支えるチームの売上目標を共有して評価に反映させる形の会社もあります。
求人票の「評価制度」や「目標」の欄に売上の話が出てくるかを確認してください。書かれていなければ、面接で「アシスタントの評価は何で決まりますか」と聞くと確かめられます。
Q4:営業アシスタントや営業事務は、きつい仕事ですか?
営業と顧客の間に立つので、急ぎの依頼が重なる時期は負担が大きくなります。とくに1人で多くの営業担当を支える体制だと、依頼が集中しがちです。
きつさの原因と続けるかどうかの判断は、営業事務がきつい・辞めたいと感じたらで詳しく扱っています。
Q5:求人票に「営業アシスタント(営業事務)」と両方書いてあるときは?
両方の呼び名を並べている求人は、会社の中でも線引きが決まっていない可能性があります。中身は仕事内容の欄で判断します。
外出・同行の有無と、支える営業の人数の2点だけでも確かめてください。外出と人数が分かれば、どちらに近い働き方かはおおむね見えてきます。
まとめ:営業アシスタントと営業事務は求人票の中身で見分ける
営業アシスタントと営業事務の違いは、営業の社外の仕事にどこまで関わるかです。ただし呼び名は会社ごとに違うので、最後は求人票の仕事内容で判断してください。
この記事のまとめ
- 営業事務は社内の事務処理が中心、営業アシスタントは資料づくり・同行など営業の社外の仕事にも関わる
- 職業分類は仕事の中身で決まり、「営業アシスタント」という分類名は無い
- 見分ける5つの確認点=外出・支える人数・資料の中身・評価・使うシステム
- 営業・販売事務の有効求人倍率は0.87倍で、一般事務(0.29倍)より入口が広い(令和8年7月)
- 人と話す時間を残したいなら営業アシスタント、正確な処理を積み上げたいなら営業事務
気になる求人を2〜3件開き、仕事内容の欄から「同行」「提案」「受発注」の言葉を探してみてください。どの言葉が多いかで、その求人がどちらに近いかが分かります。
求人票は、並べて読むほど違いがはっきりするはずです。Z転職は無料で使える転職エージェントなので、営業事務や営業アシスタントの求人を集めて比べる最初の一歩に使えます。
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免責事項
※本記事は転職・求人サービスの公開情報と公的統計、および出典を明記した資料をもとにした整理です。職種の呼び名と仕事内容の対応は企業によって異なり、掲載の例文は置き換え用のサンプルです。最終的なサービス選択・転職判断は各公式サイトの最新情報および厚生労働省等の公的情報をご確認のうえご判断ください。

