仕事辞めたいけど次がないときは、退職を決める前に、今すぐ職場を離れるべき状態かを見分けます。急がなくてよいなら、有給休暇や休職で距離を取りながら次を探すほうが安全です。有給休暇は、6か月続けて働き8割以上出勤すれば10日付きます(労働基準法第39条)。相談先と次の探し方までまとめます。
この記事でわかること
- 次が決まる前に辞めていい状態と、続けながら探したほうがいい状態の見分け方
- 辞めずに職場から距離を取る有給休暇・休職・傷病手当金の条件
- いじめや残業、こころの不調を無料で話せる公的な相談先
- 「行き先がない」を確かめる転職の公的統計(2025年)
- 辞める日から逆算して、在職中に次を決める段取り
公的情報源: 厚生労働省「モデル就業規則(令和7年12月版)」(参照)/e-Gov法令検索「労働基準法」(参照)/全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」(参照)/厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(参照)/確かめよう労働条件「相談機関のご紹介」(参照)/こころの耳「相談窓口案内」(参照)/ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(仕事をお探しの方)」(参照)/「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」(参照)/「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」(参照)
次の行き先を一人で考えるのがつらい方へ。20代向けの就職・転職支援には、職務経歴書の添削や面接対策を受けられるサービスがあります。
この記事の結論
「もう辞めたい。でも、次の仕事は決まっていない」。シフトの合間に求人を眺めても応募まで進めず、次の月のシフト表だけが届く。そんな状態で迷っている方に向けた記事です。
「次がない」には、2つの意味があります。1つは、次の職場がまだ決まっていないこと。もう1つは、自分には行ける先がない気がすることです。前者は段取りで、後者は数字で確かめられます。
急いで辞めなくてよいなら、まず職場から距離を取る手を使い、在職中に次を決める。この順番なら、収入を保ったまま次を選べます。
この記事の要点
- 体調の不調・ハラスメント・賃金の未払いがあるなら、次を決めるより先に休むことと相談
- 有給休暇は6か月続けて働き、8割以上出勤すれば10日付く。取る時季は働く人が請求するのが原則
- 休職は会社の就業規則で決まる制度で、期間も給与の有無も会社ごとに違う
- 2025年の1年間に、転職して新しい職場で働き始めた人は約506万人(雇用動向調査)
次が決まる前に辞めていい人、続けながら探したほうがいい人
次が決まる前に職場を離れてよいのは、今の職場で心や体、お金の安全が守られていないときです。それ以外なら、収入を保ったまま探せる在職中の活動が向いています。
次が決まる前に離れるか、続けながら探すか
- 体
- 眠れない、食べられない日が続いている
- 職場
- いじめ・嫌がらせ・パワハラを受けている
- お金
- 給与や残業代がきちんと払われていない
- 体
- しんどいが、休みの日には回復できる
- 職場
- 不満はあるが、身の危険はない
- お金
- 辞めたあとの生活費の見通しがまだない
図:左に当てはまるなら次を決めるより休むことと相談を先に、右なら在職中に次を探す(相談先はこの記事の後半)
今すぐ離れたほうがいいサイン
眠れない日が続く、出勤前に体が動かない。こうした状態なら、次の仕事を決めることより、休むことを先にしてください。体調の見分け方は、仕事のストレスが限界になる前に知りたいサインでくわしく扱っています。
いじめや嫌がらせ、給与の未払いも、我慢して続ける理由にはなりません。社外の公的な窓口で、無料で相談できます。休んでいる間の収入は、次の章で紹介する傷病手当金で補えることがあります。
続けながら次を探したほうがいい人
不満はあっても体が動き、休日には回復できる。そんなときは、在職中に次を決めるほうが選びやすくなります。辞めてから探すと、失業給付が出るまでの期間や、健康保険・年金の切り替えを自分で手当てすることになるためです。
辞めたあとのお金の流れは、働きながら転職するか、辞めてからにするかで整理しました。辞めたい気持ちはあっても怖くて動けない方は、仕事辞めたいけど怖いときの考え方も参考にしてください。
辞めずに職場から距離を取る4つの方法
「辞める」か「続ける」かの二択にしなくても、職場から離れる時間は作れます。使える条件は方法ごとに違うので、表で確かめてから選んでください。
辞めずに距離を取る方法と、使える条件
| 方法 | 使える条件の目安 | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| 有給休暇 | 6か月続けて働き、決められた日の8割以上出勤すると10日 | 勤怠を管理している部署・就業規則 |
| 休職 | 会社の就業規則に定めがあるとき。期間や給与の有無は会社ごと | 就業規則 |
| 傷病手当金 | 仕事と関係のない病気やけがで働けず、連続3日休んだあとの4日目から | 加入している健康保険 |
| 仕事量・持ち場の相談 | 法律の決まりはなく、会社との話し合いで決まる | 上司・人事 |
出典: e-Gov法令検索「労働基準法」第39条、厚生労働省「モデル就業規則(令和7年12月版)」第9条・第43条、全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」。
職場から離れる手は、軽いものから使う
- 辞める前に、どう距離を取る?
- まず有給休暇で数日休む残りの日数を確かめ、シフトが組まれる前に申し出る
- 次に仕事量や持ち場を相談するつらい業務を具体的に挙げて、上司か人事に話す
- 体調が戻らないとき医療機関にかかり、休職を考える就業規則の休職の定めと、傷病手当金の条件を確かめる
- それでも難しいとき退職を決める次の仕事と、辞めたあとのお金の見通しを立ててから
どの段階でも、社外の公的な相談先を使える。
図:有給休暇→仕事量の相談→休職→退職の順に考えると、辞めずに済む道を先に確かめられる
有給休暇は、取る日を働く人が決めるのが原則
有給休暇は、雇われた日から6か月続けて働き、決められた日の8割以上出勤すると10日付きます。その後は、続けて働いた年数に応じて増えていきます。
取る日は、働く人が請求した時季に与えるのが原則です(労働基準法第39条)。会社が日にちを変えられるのは、請求された日に休まれると事業の正常な運営が妨げられる場合に限られます。
モデル就業規則の例では、1年以内に使わなかった有給休暇は、付与された日から2年以内なら繰り越して使えます。残りの日数がわからなければ、勤怠を管理している部署に聞いてみてください。シフト勤務なら、シフトが組まれる前に申し出ておくと、職場も代わりの人を手配しやすくなります。
休職は「就業規則で決まる制度」
休職は、働く人の身分を保ったまま、一定の期間だけ働く義務を免除する扱いです。厚生労働省のモデル就業規則の解説には、休職の定義や期間の制限、復職について「労基法に定めはありません」と書かれています。
つまり、休職できるか、何か月休めるか、給与が出るかは会社しだいです。モデル就業規則でも、休職期間を無給とするか有給とするかは、各事業場で決めて就業規則に定めるよう示されています。まずは自分の会社の就業規則を読んでください。
休職中に次の仕事を探すときの注意点は、休職中の転職活動にまとめています。
休んでいる間の収入は、傷病手当金で補えることがある
会社員として健康保険に入っている人は、仕事と関係のない病気やけがで休んだとき、傷病手当金を受けられることがあります。全国健康保険協会(協会けんぽ)が示す条件は、次の4つをすべて満たすことです。
- 仕事と関係のない病気やけがで療養している
- 療養のために働けない
- 4日以上仕事を休んでいる(連続した3日間の待期のあと、4日目から対象)
- 休んだ期間に給与が払われていない
1日あたりの額は、支給開始日より前の12か月間の標準報酬月額の平均を30で割り、3分の2を掛けた額です。受けられるのは、同じ病気やけがについて、支給開始日から通算1年6か月までとなります。
退職したあとも受け取れる場合があります。条件は、退職日までに続けて1年以上健康保険に入っていたことと、退職のときに傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしていることです。健康保険組合に入っている人は、組合のサイトで条件を確かめてください。
仕事量や持ち場の相談は、つらい業務を具体的に挙げる
異動や担当替えに、法律の決まりはありません。会社との話し合いで決まります。
相談するときは、どの業務がいつつらいのかを具体的に挙げると、話が進みやすくなります。たとえば「土日の閉店作業が週3回あり、帰宅が23時を過ぎる」のように、回数と時刻で伝えてみてください。
一人で抱えないための公的な相談先
職場のことを社内で話しにくいときは、社外の公的な窓口が使えます。下の4つは、どれも無料です。
困りごと別の、公的な相談先
| 困りごと | 相談先 | 特徴 |
|---|---|---|
| いじめ・嫌がらせ、配置転換、賃金の引下げなど職場のトラブル | 総合労働相談コーナー | 予約不要・無料。面談か電話で、全国378か所 |
| 残業代や労働時間など、労働条件のこと | 労働条件相談ほっとライン | 平日夜間と土日・祝日に、無料で電話相談 |
| 気持ちの落ち込みや眠れないなど、こころの不調 | こころの耳(働く人の相談窓口) | 電話・SNS・メールで相談 |
| 次の仕事探し | ハローワーク | 在職中でも求職登録ができる |
出典: 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」、確かめよう労働条件「相談機関のご紹介」、こころの耳「相談窓口案内」、ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(仕事をお探しの方)」。
総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署の中にあります。解雇や雇止め、パワハラなど、あらゆる分野の労働問題が対象です。ただし、土日・祝日と年末年始は閉まっています。
シフトの休みが平日なら総合労働相談コーナー、土日しか空かないならほっとライン、と使い分けられます。こころの耳の電話番号や受付時間は、こころの耳のサイトで確かめてください。
「行き先がない」と感じたら数字で確かめる
「自分には行ける先がない」という気持ちは、統計と並べると見え方が変わります。2025年の1年間に、転職して新しい職場で働き始めた人は約506万人(5,061.8千人)でした。常用労働者に対する転職入職率は9.9%です(令和7年雇用動向調査)。
辞めた理由も、多くの人と同じところにあります。同じ調査で、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.9%が最も多く、「職場の人間関係が好ましくなかった」11.5%が続きます(「その他の個人的理由」を除く)。男性では「給料等収入が少なかった」が9.9%でした。
転職した人は、どこで次を見つけたか
令和7年転職者実態調査では、転職した人が使った探し方(複数回答)は次のとおりです。
転職した人が使った探し方(複数回答・2020年と2025年の調査)
| 探し方 | 2020年調査 | 2025年調査 |
|---|---|---|
| 求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等 | 39.4% | 45.1% |
| ハローワーク等の公的機関 | 34.3% | 29.6% |
| 縁故(知人、友人等) | 26.8% | 22.2% |
| 民間の職業紹介機関 | 14.8% | 20.9% |
| 企業のホームページ | 15.1% | 13.5% |
出典: 厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」表12。転職者計を100とした割合です。
求人サイトだけで探していると、見える求人がかたよりがちです。ハローワークか転職エージェントのどちらかを足して、入口を2つにしてみてください。ハローワークは、在職中でも求職登録ができます。
経験が活きる先を選んだ人が多い
同じ調査で、今の勤め先を選んだ理由(3つまで)は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」40.2%、「自分の技能・能力が活かせるから」38.4%が上位でした。今の仕事の経験を、次の仕事でどう使うかが選ぶ軸になっています。
給与も、移れば下がるとは限りません。雇用動向調査では、転職した人のうち前の職場より賃金が「増加」したのは40.8%、「減少」は31.0%、「変わらない」は25.5%でした。
接客や販売の経験をどう言葉にするかは、接客スキルを転職で活かす棚卸し方で手順を紹介しています。
在職中に次を決める段取り
在職中に次を決めるときは、辞める日から逆算して動きます。期間の定めのない雇用なら、退職は申し出から原則14日で成立します(民法第627条第1項。モデル就業規則の解説より)。ただ、就業規則で申し出の時期を決めている会社もあるので、先に読んでおきましょう。
在職中に次を決める5つの段取り
- 辞める日から逆算して動く
- 1就業規則を読む退職の申し出の時期と、有給休暇の残りを確かめる
- 2外せない条件を2つにしぼる例:土日休み、残業は月20時間まで
- 3探す入口を2つにする求人サイトに、ハローワークか転職エージェントを足す
- 4面接の日を先に押さえるシフトが出たら、空いている日と有給で日程を作る
- 5内定のあと、書面を見てから退職を申し出る労働条件通知書などで、休日・時間・賃金を確かめる
図:退職の申し出は最後。就業規則と有給の残りを先に確かめ、内定と書面がそろってから会社に伝える
次の職場の条件は、2つまでにしぼる
条件を並べすぎると、どの求人も少しずつ合わず、「次がない」と感じやすくなります。辞めたい理由を1つずつ見て、次の職場で外せないものを2つまでにしぼってください。
たとえば「土日に休みたい」なら、求人票の休日の欄で「完全週休2日制(土日祝)」かどうかを見ます。辞めたい理由を条件や志望動機に言い直す方法は、サービス業の転職理由の言い換えで例文と一緒に紹介しました。
面接の日程は、シフトと有給休暇で作る
シフト勤務の場合は、面接の日を先に決めておかないと、休みの日がシフトで埋まってしまいます。シフトが出た時点で、面接に使える日を押さえておきましょう。足りない分は、有給休暇を当ててください。
月ごとの進め方は、働きながら3か月で転職するスケジュールにまとめています。
退職を申し出るのは、労働条件の書面を受け取ってから
内定が出ても、すぐに退職を申し出る必要はありません。会社は、労働契約を結ぶときに賃金や労働時間などの条件を示すことになっています(労働基準法第15条)。
示された条件と求人票、面接で聞いた話を見比べてください。休日・時間・賃金が合っていると確かめてから、今の職場に退職を伝えます。この順番なら、「辞めたのに次がない」という状態を作らずに済みます。
書類選考でつまずいて次が決まらないなら、講座を受けてから企業と面接できる仕組みを使うのも一つの方法です。就職カレッジは、18〜35歳を中心にフリーターや第二新卒の就職を支援するサービスです。
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よくある質問
Q1:次が決まる前に辞めても大丈夫ですか?
体調の不調やハラスメント、賃金の未払いがあるなら、次を決めるより休むことと相談を先にしてください。それ以外なら、在職中に次を決めるほうが収入を保ったまま選べます。辞めてから探す場合は、失業給付や健康保険、年金の手続きを自分で進めることになります。
Q2:有給休暇は、辞める前にまとめて取れますか?
有給休暇は、働く人が請求した時季に与えるのが原則です(労働基準法第39条)。会社が日にちを変えられるのは、事業の正常な運営が妨げられる場合に限られます。残りの日数と退職したい日を並べて、早めに申し出てください。
Q3:休職できるかどうかは、どこで確かめればいいですか?
自分の会社の就業規則で確かめます。休職の定義や期間、復職については労働基準法に定めがなく、会社ごとに決まっています。休職中の給与が無給か有給かも、会社が決めることです。給与が出ないときは、傷病手当金の条件に当てはまるかを加入している健康保険で確かめてください。
Q4:辞めたいと伝えても引き止められたら、どうすればいいですか?
期間の定めのない雇用なら、退職は申し出から原則14日で成立します(民法第627条第1項)。就業規則の申し出の時期も確かめたうえで、退職したい日を書面で伝えておくと話が進みやすくなります。こじれたときは、総合労働相談コーナーに相談できます。契約期間が決まった働き方は扱いが違うので、契約書を確かめてください。
Q5:転職エージェントは無料で使えますか?
求職者は無料で使えるのが原則です。職業安定法第32条の3で、有料職業紹介事業者は、求職者から手数料を受け取ってはならないとされています(省令で定める一部の例外を除く)。ハローワークも無料で、在職中でも求職登録ができます。
まとめ:離れ方を選んでから、次を決める
仕事辞めたいけど次がないときは、辞める日を先に決めるより、職場からの離れ方を選ぶところから始めてください。
この記事のまとめ
- 体調の不調・ハラスメント・賃金の未払いがあるなら、休むことと相談を先に
- 有給休暇は6か月・8割以上の出勤で10日付き、取る時季は働く人が請求するのが原則
- 休職は就業規則で決まる制度。休んでいる間の収入は傷病手当金で補えることがある
- 総合労働相談コーナー・ほっとライン・こころの耳は無料で相談できる
- 2025年に転職して働き始めた人は約506万人いる。探す入口は2つにして、書面を見てから退職を申し出る
今日できることは、就業規則を開いて「休職」と「退職」の項目を読むことです。有給休暇の残りの日数とあわせて書き出すと、使える手がはっきりします。
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免責事項
※本記事は公的統計・公的資料と転職・求人サービスの公開情報をもとにした整理です。休職・休暇の扱いは会社の就業規則や雇用契約によって異なり、統計は調査時点の全国の値を使っています。体調に不安があるときは医療機関に、労働条件の判断に迷うときは労働局などの公的窓口や社会保険労務士・弁護士にご相談ください。

